「「あ、いたいた翔真っ!!」」
翔真とマイクの明らかに観客の中に溶け込めてない頭二個飛び抜けた二人を発見し、結城と三上がギャラリーへと走ってきた。
「お。なんだ来たの?」
「おうっ、なんか白石が大遅刻をしたって聞いて心配になってたらキャプテンが行っていいよって言ってくれてさ。」
「喜ぶよ未茉ちゃん。」
息を切らしながらやって来た二人に翔真は微笑んだ。
「マイクさんっ!!お疲れさまです!!」
二人はその存在に嬉しそうに腰かける。
「おお。お疲れさん。」
マイクも可愛い後輩達に笑顔で答える。
「同点か。あの大成といい勝負だな。」
正直負けると思っていたからか三上は喜んだ。
「いや、男子の時と同じだ。申し訳ないが大成はベストを尽くしてない。-ーまだあの女がベンチにいるからな。」
「え」と誰のことだと二人は大成のベンチに目をやった。
(ウォームアップしてない……ってことは田島なくても勝てるって踏んでんだろうな…。でも沙穂のプライドがまた傷つくだろうな…)
鈴木の方を見てため息ついた。