「勝てるんじゃないんですかぁっ!!?今日は!!なんせ全国女子ベスト4の大成相手に同点に追いついたとか凄くないですぁ!?」
一方、明徳ベンチでは、新米斎藤が興奮気味に飛び上がって嬉しそうに選手達を労い、勝利すらも確信し盛り上がると、
「「おー!!」」
控えの選手達も、ハイテンションになる横で一人だけ流れる空気は違っていた。
「……そんなことない。」
タオルで汗を拭きながら少し暗い顔の横顔でキャプテンは言った。
「田島が出てない。」
(…田島?)
未茉は鈴木キャプテンの言葉に大成女子のベンチを見た。
「あの女が出てないなら、大成は本気じゃないってこと。力を温存させといても勝利にまだまだ自信があるってことよ。」
「!」
キャプテンの言ってた‘止められない奴。’とは-ーきっとその女のことだと未茉は、水を飲み干した。