そして未茉はディフェンスで相手のボールをしつこく狙ってくと、
「しまっ…」
大成選手はボールに触れてラインを割ってしまい、
ピーッ!!
笛が吹かれた。

「「おっしゃぁっ!!!」」
「ナイスディフェンス白石!!」

「またターンオーバーじゃない…」
さすがにやばいな…と大成女子の監督も腰をあげた。


「かかってこい!!未茉!!うちが止めたるで!!」
未茉にボールが渡ると我慢ならぬ静香は大声で挑発する。

「おうっ!止められるもんなら止めてみなっ!!強豪・大成のルーキーさんよ!!」
もちろん売られた喧嘩は派手に買う主義なので、

ーーダッ!!と一歩大きく踏み込み、ゴール前へと切り込むように見せかけ、静香の股下を通してのゴール下へと動く鈴木へのパスを通す。

「何やとぉ!!?」

冷静に鈴木は受け取りーースパッ!とタップシュートを決める。
「「ナイシュー!!」」
「ナイスアシスト」
裏をついた未茉のパスに鈴木はタッチする。

「お前は脇がいつも甘いんだよ!」
静香を鼻で笑いながら挑発すると、
「貴様ぁぁああ」
ピーッ!!
掴みかかられる前に、前半終了のブザーが鳴り響き、静香は強制的にベンチへとひきづられていく。



明徳の猛追で、前半戦を38対38の同点で試合は折り返すこととなった。