「WAO!!マジか。こりゃ驚いた…」
ギャラリーで見ていたマイクが想像以上の未茉の存在感と能力の高さに両手を上げた。

ーーザワッ!!
「なんだあの一年……!!」
「まだ交替してたった四秒よ…」
ディフェンスを弄ぶかのように翻弄する未茉のステップに大成ベンチも立ち上がりどよめきを隠せなかった。

「近隣中だったから噂は聞いてたけど生で見るとやっぱレベルが違うな…」
ベンチメンバーの中には未茉を知っている者も何人かいて、
「知ってるの?」
「知ってるよ。ミニバスの時から何回も当たってるし、全国優勝してるしな。」
「全く衰えてないな…」
「なんでそんな子明徳なんかに…」
生唾をごくりと音を立てて飲み込み、彼女のプレーに引き込まれていく。


「反省しても許さないーーけど」

新垣が放ちリングに当たったボールを鈴木はなんとかリバウンド争いに競り勝ち、

「勝たなかったらもう二度と信じない。」

そう未茉にいい放つと、もう一度外へと早いパスを回し、頷きながら未茉が受け取ると、
ーースッ…
ディフェンスの手を誘うような素早いフェイク入れ、軽く倒れながら3ポイントシュートを放つ。

ーーシュッ!!
鮮やかに決まると、
「バスケットカウント・ワンスロー。」
審判が手をあげると、
「「すっげぇ!!バスカン!!」」
わぁああっ!!ベンチではガッツポーズをしながら立ち上がる。

気持ちいいくらいにスパッ!!と音を立ててフリースローも決まると、
「おしっ!」
未茉はすぐに走り出した。