「力抜いて」
「おう。」

約二十センチ程の身長差はちょうど翔真が軽く机に腰かけることによってちょうどよくなり、ちょうど未茉の耳の高さに、澄ました表情の翔真のアドバイスする口元が触れそうな超密着至近距離。

イヤホンで繋がれながら、まるで未茉を後ろから包み抱きしめるような光景に、

「うぉぉ見てるこっちがドキドキする!!なんでアイツら普通なワケ!?」
「えっエロすぎる…!!!」
「マジで翔真羨ましすぎだぞアイツ!!ムカつくけど俺ら顔も体も太刀打ちできねぇ・・・」

男子達は面白くなさそうにキレながらも、照れもせずできる行動力に敗北感を感じてもちろん阻止することなど到底できない。

「ってかあれで付き合ってないのとかマジで信じらんない。」
「ますます嫌いあの女。」
「でもいーなぁ、あんなカップルになりたい。」
女子達は嫉妬と羨ましさに満ち溢れる側で、

「ИМВМЩУсфьш…」
未茉が指揮で失敗しないように、数珠を持ちお経を唱え始めるキタロー。
「おい!!キタローの奴がなんか唱え始めてるぞ!!」
「みんな耳塞げ!!呪われるぞ!!」
「いやぁぁあ!!」
甘い空気から一転、クラスメイト達は恐怖へと苛める。