「湊君の代名詞なんだよ!あの、スピードある豪快なワンハンドダンクは!!」
中学生離れしている見るものを魅力するそのダンクは、エンターテイナーショーのようだと、
“showーダンク”とバスケ雑誌にも大きく取り上げられる程だった。

「おー!!すげーじゃん!湊っ!」
迫力あるダンクに拍手する彼女に彼はニコッと嬉しそうに笑った。

「明徳で一緒に全国行こーぜ!」
おてんばさは伺えるものの、可愛らしくあどけない顔とは裏腹のがさつな言葉使いで白い歯を見せてニカッと笑う未茉に、

「うん…!!」

先程の豪快ダンクを決めた人と思えないくらい、ふわふわっとした甘い空気感が漂う子供のようなあどけない笑顔を見せた翔真が二つ返事をすると、
「お…おいっ!翔真嘘だろっ!?」
「そうだぜ!明徳はただの散歩だったじゃねーか!大成高行こーぜ!」
冗談じゃない!と慌てて翔真と一緒に来ていた二人が止めに入るも、

「そうだっ!!全国だっ!!全国に行くんだ!!君たちが揃えば夢じゃないっ!!」
野村は長年の憧れだったかのようにガシッ!!と翔真と未茉の肩を掴み目を輝かせながら言うと、

「おー!ちゃんと面倒みろよ!ノムさん!!」
「ノ・・・!?」
「野村監督だろ?だからノムさん。」
どや顔の未茉がそう名付けると、

「あっはははっ!!」
翔真はナイス!と手を叩きながら爆笑した。

「・・いや、ノムさんでも何でもいいっ!!全国に行ければ!!君のお父様清二さんに憧れて明徳でバスケをして20年…全国に明徳の名前を刻もうじゃないかっ!!!」

ようやくツキが回ってきたと熱く拳を突き上げて吠える野村に、
「なぁっ!!翔真ぁ!!考え直せよ!!」
必死に目を覚ませ!と結城に体を揺らされるも、

未茉と目が合うとニコッと微笑みを返す翔真であった。