ミニゲーム終了の笛が吹き、未茉達レギュラー組が二年達を破り更に20点を加えて余裕の勝利を飾った。

「ナイスゲーム!」
息の上がる三年達からはポンッと初めて笑顔で肩を叩かれ、「ありがとうございます!」と頭を下げた。

「おし、白石いいデキだっ」
「あざーす!!…ハァハァ…」
結構ムカついて本気出してたら野村監督に誉められ、呼吸をととのえながら清々しい笑顔で答えた。

「白石さん凄いっ!まだ鳥肌止まらない!!お疲れ様!!」
「ありがと」
先輩達から順にタオルを配るキタローよりも先に興奮気味の椎名が未茉に駆け寄り、タオルと水筒を手渡した。
「む…」
それを見たキタローは、少し面白くない表情を浮かべた。


「ナイス。」

男バスの方が早く終わったのか練習終わりにはとても見えない涼しい顔で翔真がゲームが終わったばかりのクールダウンしている未茉の元へやってきた。


「おーっ!お疲れっ!!翔真!!見てた!?あたしの……」とテンション高々に鼻を伸ばして言いかけると、

「監督、未茉ちゃんを保健室連れてきますね。」

「へっ!!?」
翔真が未茉の肩を掴み監督の方に体を向け、手で前髪をあげ額を見せると、

「凄いたんこぶだなっ!!」
「痛くなかったのか!?」

みんなは想像以上だったのか驚きの声をあげて、未茉の膨れ上がり内出血してる右上のおでこを見る。

「え、ほんと?余裕だけど。」
「アホか!!冷やしに行ってこいっ!!」
監督にどやされると、翔真は未茉の手を引っ張ってく。

「あの……!湊君!!私っ……私が行きましょうか!?手当てとか慣れてるので。ほらまだ湊君着替え終わってないし……」
椎名が呼び止めると「ううん。」と見向きもしない翔真は首を振り未茉を保健室へ連れてった。

「…」
その光景を見たキタローは、椎名を胡散臭い目で見ていると、
「!」
視線に気づいたのか、勢いよく顔を背けた。