「BIG3?」
初めて聞いたその愛称に目をぱちくりさせてゆっくりと振り向くと、一人息を切らしたその男が真っ直ぐに未茉を見ている。

「あ……」

何かを期待したような目で、何か言いたそうにこちらを見つめ続ける翔真に向かって未茉はバスケットボールを投げ、
ーーパシッ!とその大きな片手で受けとる。

「でっけぇーな!お前ら!」
初対面ながらぶしつけに話しかけてくる未茉に結城と三上は戸惑った表情見せた。

「ああ。あたし、白石未茉!お前らもバスケ部入んの?」

普通の初対面ならば、これはあまりにも馴れ馴れしいと思う二人は不快な表情を浮かべるも、

「うん。ずっとバスケやってた。」
翔真だけは違っていて、知り合いかのような受け答えをしている。

「へぇーそうなんだ。そんだけ背が高けりゃダンクできんじゃん?見せてよ。」

試されるように微笑む彼女に翔真は躊躇うことなく、スッ……とボールを打ち付けドリブルでリングへ向かい高く軽やかなステップでジャンプをして、

ーーダンッ!!!

リングが大きく揺れる程の豪快なワンハンドダンクを決めた。
「出たぁ!!ショーダンク!!」
野村監督が興奮気味にそう叫んでる。

「ショーダンクぅ?」
未茉は妙な名称に聞き返す。