ガラガラ…
そっと教室のドアを開ける。


「メイガ来た!」
※斜視の為、目が歪んでいる事から目歪=メイガ
※左右の目が反対を向いている事から
ロンドンとパリ=ロンパリと呼ぶ表現もあります

「宇宙人や!逃げろ!」

「ほんま気持ち悪いから学校来んといて」

「お前の座るとこ無いでー」


見渡してみると在るべき場所には確かに無く
私の席は1番後ろのゴミ箱の横にあった。



「お前優等生ぶってるから」

「先生にエコヒイキされたいから
いつも前の席にしてるだけやろ」

「病気うつるから近寄んな」



ユリ「うつるかそんなもん…せからしぃ…」ボソッ


「おーい!今ユリが口答えしたでー!」


ユリ「やめ…っ!なんも言うとらんが!」



「はぁ〜?何喋ってるかわかりませ〜ん!」

「ちゃんと日本語喋ってくだちゃいね」

「宇宙人やから日本語わからんねん!」


四方八方から聞こえる矢次と
徐々に近づく足音に怖くて震える足


「お前誰に口答えしてんじゃよ」

その声と共に後ろに倒れ込む

ユリ「…っ!?」

「ごめんなさいって土下座するか死ねよ」



背後から髪を引っ張られ倒れ込み
頭を跨ぐようにマサキが見下ろしている


マサキ「はよせぇや!」

ドスッ

ユリ「ヴッ……」


腹を踏まれ体重をかけられる


マサキ「どこ見てんのこいつ。きっしょいな」

私の腹の上でジャンプして
楽しそうに笑うマサキ

それを見て指をさしてクスクス笑うクラスメイト



ユリ「ヴッ…ぅあっ、わ…わがっ…だ…ぁっ」

マサキ「は?なんて?」

ユリ「どっ…げざぁ…っ…す……か…らあっ…」

マサキ「ほなはよ見せろや」

ユリ「ゲホッ…ゴホッ...ヴ..ゴホッゴホッ...すいませんでした」


うまく息ができない
手も足も震える
口が乾いて喉が鳴る
指先も痺れ感覚が無い
意識が朦朧として白くなる

まただ…

[パニック障害]