元気にかけだしたはいいが
慣れない浴衣と下駄のせいで
うまく歩けない。

柊にぃとウッシーを先に進ませ
後ろからしずしずと歩く。

二人はすっかりうち解けたようで
なにやら盛り上がってる。

「ウッシーって言うの?
 オレ、ヨッシーだし(笑)」

(いいなぁ〜男同士って…)

あたしには入りにくい雰囲気だけど
うらやましく思ってしまう。

町はいつもと違う空気がただよう。
遠くからおはやしの音が聞こえる。


昔、

よく柊にぃに連れていってもらった。

わたあめ

たこ焼き

りんごあめにいか焼き・・・

そういえば夜に花火があがるんだ。

いつだって柊にぃの手を
ギュッ って握りしめてたな。


神社に近づくにつれ
人が多くなってきた。

「おーぃ、はぐれるなよ」

少し距離が空いたので
こちらを振り返りながら
柊にぃが呼ぶ。

ウッシーも振り返る。