「それより、美透ちゃんは好きな人いないの?」
「ええっ!?」
「ミハラくんはどう? 結構美透ちゃんのこと気に入ってるっぽいよ」
「いやいやいや! それはないですよ。あのミハラさんですよ? 私なんかと釣り合うわけないじゃないですか!」
翠さんからの提案に必死に反論していると。
「あれ? 俺の話してた?」
なんと階段下にミハラさんの姿が! クノさんもいる。
「二人仲良くなってたんだ」
ニコニコとイケメン笑顔を見せてくるミハラさん。
もちろん直視できない。
「今度ここ4人でダブルデートしようよ!」
「いいね! どこ行く?」
「ファミレスとかでいいんじゃね?」
「だめだよー。遠くがいい!」
楽しそうに話す翠さんとミハラさん、めんどくさそうなクノさん。
そして一人胸をドキドキさせている私。
教室に戻る前、
「美透ちゃん可愛いから大丈夫だよ。もっと自信持ちなよ」
と翠さんに言われ、更にどぎまぎしてしまう私だった。
確かに、ミハラさんは私を気をかけてくれる。
よく声をかけられるし、前に飲み物もおごってくれた。
そのお礼に、手作りクッキーをプレゼントしたところ、
『ありがとう。超うれしい』
と言って、目を細めてくれた様子にドキッとした。
ミハラさんは優しい。でもこれは私にだけじゃなくて、きっとみんなにだ。きっとそうだ。