この部屋にある棚いっぱいのCDは、叔父さんのコレクションとのこと。
古いロックから、パンク、エモ、シューゲイザー等、いろんなジャンルのCDが洋楽邦楽問わず置かれている。
音楽好きの方に自分が選んだベースを褒められて、嬉しくなった。
「この前映希と久々に飯食ったけど、バンドやれるかもって楽しそうにしてたよ」
「本当ですか? 全然そんな感じしませんが……」
「タイミング合えばライブ行くから! じゃ、練習がんばって」
しばらく仕事でいないって映希に伝えといてね。
そう言って、叔父さんは去っていった。
びっくりしたけれど、心が温かくなった。
ベースやってること、誰かに応援されたのは初めてだ。
クノさん……家族とは色々あるみたいだけど、叔父さんには心を開いているのかな。
ベースを弾く手に力がみなぎる。
練習頑張ろう。
早くクノさんを支えられる音を奏でられるように。

