「“ヒロキくん”なんかやめて、俺のところにおいでよ」 「……まだ言うんですか」 「結構本気だよ、俺」 最初の頃は坂野先輩への好感度が下がっていく一方だったけれど。 正直今は、意地悪なだけで優しい人だと思っている。 けれど先輩後輩以上の関係になることは想像できない。 「その気持ちだけ十分です」 「いや、俺は十分じゃないよ」 「か、帰りましょう…坂野先輩」 「今日、俺の家に泊まりなよ。 帰っても苦しいだけなんだよね?」 坂野先輩が私の手をとって。 遠くへ行かないようにされてしまう。