「俺、パートナーにするには、自分が一番好きな『香り』の女の子じゃないと駄目なんだよね。
 だから、チーマキちゃんと初めて会った時に思ったんだ」

「は、はあ?」

「俺『に』付き合ってくれ」


 この人は、一体何様なのでしょうか?
《俺様》なのは確かですが、発言内容が支離滅裂で、一応常識人を自覚しているあたしにとっては、未知の存在です。


「俺のパートナーに……推薦人になってくれ」

「すいせんにん?」


 ん? すいせんにん? スイセンニン?
 どういう漢字を書くのでしょうか。

『水仙人』……古代中国のSFファンタジー小説に登場しそうです。

『水洗人』……お手洗いで暮らす妖精さんみたいになりました。


「俺、今度の生徒会長選挙に立候補するんだ。
 だから、どうしても俺とフィーリングの合った女の子を、推薦人にしたいとずっと思ってた。
 ほとんどの女子が、強い香りの花の香水を付けてる中で、チーマキちゃんだけが違ってた。
『スイーツのイメージの香水』……俺が求める相手にピッタリだ!」


「あの、ごめんなさい。あたし、あなたが何を言ってるのか、全く理解出来ないんですけど」




「俺の『勝利の女神』になってくれ!!」