会長候補はSweets☆王子!?

「あっ!」

 あたしの抗議を華麗にスルーして、まるでサッカーのマークを外す時のプレイヤーみたいにサッとかわした涼香ちゃん。

「いいアイディアがあるわ! いっちばん現実的かつ効果的なのが」

「えっ!? なになに? 教えて!!」

 藁にもすがる思いで、芥川龍之介先生の名作『蜘蛛の糸』の糸に掴まる思いで、あたしは食いつきます。

 しかし、親友・永末涼香ちゃんの口から発せられたお言葉は、あたしが自分の耳を疑うには十分すぎる内容のものでした。


「YOU! アンタたち、付き合っちゃいなYO!」

 涼香ちゃんは、唖然としたあたしに向かって、「YO! YO!」とか訳のわからぬことをのたまいながら、そう提案します。


「つ、付き合うって、誰と誰が!?」

「んなもん決まってるじゃん? 真希ちゃんと池永隼人だYO!」


 あたしは、誠に失礼ながら、今までは一番の親友かつ心友(しんゆう)だと思い信頼していた彼女は、頭がどうかしちゃったのではなかろうか? と真剣に考えてしまいました。

「す、涼香ちゃん、冗談よしてよ……」

「本気だYO・チェケラッ!」

「ふざけないでYO!」

 
 あたしたちは、ラップのリリックにのせて、あてどもない議論の応酬をすることとなりました。