会長候補はSweets☆王子!?

「たすけてー! 誰かー!! チカンさんですーー!!」


……なんて、気の小さなあたしに言える訳ないです。
 あたしはただただ、今の状況を必死に判断しようとしますが、脳内は完全に大パニック状態で、膝もガクガクと震えているのが分かります。

(ど、どうして!? どうして、あたしなんかをチカンするんですかー!?)

 そう叫べるものなら叫びたいけど、口の中はカラカラで、喉の奥の方に何かが詰まってるような感覚で、声なんて出せそうにありません。


 制服のスカートの裾に、手が伸びそうになったその瞬間でした。



「おい! オッサン、アンタ自分が何やってんのか分かってる?」


 背後から、聞き覚えのある男の子の声。車内全員が、その方向に視線を向けます。


(池永……隼人君!?)

 池永君の右手は、グレーのスーツを着た白髪混じりの中年紳士の腕をしっかりと掴んでいました。

 その相手の腕を高く高く、同じ車両内にいる全てのお客さんに見えるように挙げています。


「き、貴様! 何を訳の分からないことを言ってるんだ!?
 その手を離さんか!!」

 中年紳士は、真っ赤な顔をして池永君の腕を払い除けようともがきます。