会長候補はSweets☆王子!?

「恐れ入ります……」

 アドルフォさんは、もう既に一杯目を平らげそうな勢いのお母様のそばで、お代わりの準備。


「しかし、アドルフォ君を雇ってから、本当に僕も鼻が高いよ~。
 こないだなんて、与党の自由責任党の幹事長さんと、野党第一党の民政党副代表さんから、『アドルフォ君を党のパーテーに貸してもらえないだろうか?』って言われちゃったんだからねー」

「恐縮です。旦那様」

 サッとお辞儀するアドルフォさんの、整った前髪がふわっと揺れる。
 それだけなのに、何て色っぽい男の人なんだろう。

「あっくんってさー、そう言えば、ウチに来る前はどちらのお屋敷で働いてたの?」

「奥様……カリールーがドレスにこぼれますゆえ、ご注意を」

「(≧?≦)てへぺろ」


「アドルフォ君は、我が家に来る前は、確かギリシアの海運王のお抱え執事だったんだよね?」

「いえ、それは前の前のご主人様です」

「そうだったっけ? ああ! イギリスの伯爵令嬢の所だったか」

「僭越ながら、そちらは2番目の雇われ先で御座いまして、北九州に来る前までは、スペイン貴族の末裔のご主人様の元で働かせて頂いておりました」

「そうだったか~。僕、実は物覚え結構悪いんだよねー。あはっ」