会長候補はSweets☆王子!?

「ちなみに……それは、恋ですね」


「は、はわっ!?」


 あたしは思わずヘンな声を出して、むせてしまいそうになりました。

「恋ですか?」ではなくて、「恋ですね」という断定形です。
 アドルフォさん、恐ろしい人です!!


「アドルフォさん、分かりますか?」

「ええ。今夜のお嬢様は、いつにも増してお綺麗ですよ」


 キラッと輝いたのは、彼の懐中時計だけではないように思えました。
 凄い……何でもお見通しなので、アドルフォさんには嘘やごまかしは効きません。

「綺麗だなんて、そんな///」


 今日のあたしは、やたらめったら顔面紅潮真っ赤かのリンゴのほっぺです。


「……恋知り初めし、令嬢の
 頬にさす薄紅は、茜空の色彩にも似て
 
 薄紅の果実は、今熟れし
 嬉しい・楽しい・大好き」


「は、はいっ!?」


 アドルフォさんは、時々謎のポエムを即興で作り、それを口ずさむことがあります。

 お父様の招待したお客様には、常に好評ですが、あたしにはその意味がちょっと分かりません。
 高尚な趣味は、あたしみたいな凡人の地味子には難しいです。