「あのさ、これあたしが大切にしてたぬいぐるみの……」


 バッグから、あたしは小さい頃からの宝物を取り出す。

「ああ! ももちゃんだろ? 前に『アマンダ』まで持って来てた」


「うん。これさ、隼人君にあげるね」

「えっ? マジで!? いいの?」

「いいよ。だって、これからは『あたしの分身』だと思って大切にして欲しいの」


 うわー! 言っちゃったよ!! 我ながら恥ずかしい。


(『ロマンスの神様、これにておさらばじゃ!』)


 えっ!? ま、まさか『ももちゃん』が!!

「ん? どうしたの? もらっとくぞー」

「はっ、はい、どーぞ!!」