会長候補はSweets☆王子!?

「Buenas noches(ブエナース・ノチェス)!!」


 お店のカウンターから、威勢のいい掛け声。

「Buenas noches!」と素早くアドルフォさんもそれに応える。


 え? な、なになに?


「真希お嬢様、今のはスペイン語で『こんばんは』っていう意味なんですよ」

「あ、なるほど……」


 外国風のお店らしくって、お客さんの座ってるテーブル席やカウンターを見ると、髪の色もブロンド、赤毛、ブラウンと国際色豊か。

 飛び交うおしゃべりもあたしには何の意味なのか、サッパリだった。


「どうも! 急なお願いで申し訳ない」

 普段よりくだけた印象の喋り方で、アドルフォさんはあごひげをたくわえた30代前後のエプロン姿の男性とガッチリ握手を交わす。

「何言ってんですか。オレとアドさんとの仲じゃないですか?
 安心して下さい。こう見えても、格闘技やってましたんでね。
……カバティだけど。ははは」

(??????)


「あ、紹介します。こちらは真希お嬢様。矢田部副社長のお嬢様です」

「はっ、初めまして! 矢田部真希と申します」

「いらっしゃい。真希さんですか。
 なるほど、ご両親に似て本当に可愛らしい。
 いつも矢田部さんやアドさんには、お世話になってます。
……『アマンダ』小倉店店長・リョウです」

 あたしはリョウ店長さんの差し出した手を握り返す。
 少しささくれだって、手のひらの皮も厚くなっていた。