会長候補はSweets☆王子!?

「あっ! ちょっと失礼します……」


 あたしのケータイが鳴っていた。着信の相手は林君だ。


「お嬢様、どなたですか?」

「は、はい。同級生の林浩光君です」

「どうぞ、よろしいですよ」


 微笑むアドルフォさんの顔が、ミラー越しに映る。あたしはちょこんと頭を下げて、ボリュームを抑えた声で受信ボタンを押す。

「……はい、矢田部です。もしもし」


『もしもし! 真希ちゃん!? 大丈夫?』


(ああ、林君も心配して連絡くれたんだ!)

 あたしは、ほんのちょっと前に一緒にデートしたのに、随分長い間会ってなかったみたいな気分で、彼の声に耳を澄ませていた。

「あ、あたしは、大丈夫。心配掛けてごめんなさい」

『良かった……!! 今、どこにいるの?』

「執事さんの車の中です。学校にいる時に、テレビのニュースで事件を知って、それから、執事さんが迎えに来てくれて」