会長候補はSweets☆王子!?

「おいっ!? 矢田部さん、大丈夫か?」

 あたしは、思わずその場に膝から崩れ落ちそうになって、すぐ真横で新聞部室のテレビニュースに見入っていた大内君に支えられた。

「大丈夫です。ちょっと目まいがしただけだから」

 ってそう言おうとしたのに、声が出なくて両足にまるで力が入らなかった。


「……まさか、『レアサンド』密輸組織がらみなんじゃ?」

 涼香ちゃんの声が、まるで水中に潜っている時みたく、遠くの方から聴こえているような錯覚に陥った。そばにいるのに。


「有り得るな。
 矢田部さん、早く家に連絡した方がいい!
 下手をすると、連中は君の自宅にも爆発物を送り付けている可能性がある」


 あたしは、声を出せないまま必死に頷いて、震える手で携帯電話の短縮ダイヤルを押そうとした。でも、全然指先が言うことをきいてくれない!


「貸して!!」

 涼香ちゃんは、あたしの手からケータイをひったくる様に取ると、そこに表示されてる電話番号を確認して

「真希。あんたの家電(イエデン)から、24件着信があるよ……」

 と言った瞬間、またマナーモードが微かに振動し始めた。
 全身を強ばらせ、あたしはマイク部分に向かう。