「……ったく、いきなり噛み付きやがって。
アイツは、凶暴な小型犬かよ?」
もちろん、その時図書室の池永君が、あたしの残した歯型から滲む手の甲の血をペロリと舐めながら、ブツブツ呟いていた光景など、この時は見られる訳もありませんでした。
(何で、こんなことになっちゃうの? あたしは、ただ静かに毎日を平和で穏やかに過ごしたいだけなのに!!)
地味でいられる瞬間が安らぎと同じあたしにとって、池永隼人の突然の出現は、災難以外の何物でもありません。
涙がじわじわと溢れて来ました。
走りながら走りながら、昇降口の曲がり角に差し掛かった瞬間
「いたっ!!」「いてっ!!」
死角になっている靴箱のポーチに通じる段差を上がって来た生徒とぶつかってしまいました。
「あっ、ご、ご、ごめんなさいっ!!」
あたしは、封筒に入った資料やレポート用紙が散乱する上に倒れた男子生徒に頭を下げて謝りました。
「……いや、僕は大丈夫だけど。どうしたの? そんなに急いで」
彼は、すぐに立ち上がると、自分の荷物には目もくれず、あたしに手を差し出してくれました。
アイツは、凶暴な小型犬かよ?」
もちろん、その時図書室の池永君が、あたしの残した歯型から滲む手の甲の血をペロリと舐めながら、ブツブツ呟いていた光景など、この時は見られる訳もありませんでした。
(何で、こんなことになっちゃうの? あたしは、ただ静かに毎日を平和で穏やかに過ごしたいだけなのに!!)
地味でいられる瞬間が安らぎと同じあたしにとって、池永隼人の突然の出現は、災難以外の何物でもありません。
涙がじわじわと溢れて来ました。
走りながら走りながら、昇降口の曲がり角に差し掛かった瞬間
「いたっ!!」「いてっ!!」
死角になっている靴箱のポーチに通じる段差を上がって来た生徒とぶつかってしまいました。
「あっ、ご、ご、ごめんなさいっ!!」
あたしは、封筒に入った資料やレポート用紙が散乱する上に倒れた男子生徒に頭を下げて謝りました。
「……いや、僕は大丈夫だけど。どうしたの? そんなに急いで」
彼は、すぐに立ち上がると、自分の荷物には目もくれず、あたしに手を差し出してくれました。
