会長候補はSweets☆王子!?

 次の瞬間、折り畳んでいた上半身をガバッと起こした塚本さんは

「うけるーっ!!」

 そう言って、ケラケラと大笑いし始めた。俺は目を丸くして、ニコニコしている塚本さんとは対照的に、険しい顔で

「ふざけないで下さいっ!」そう怒鳴っていた。


 気まずそうな視線が、俺に向けられる。


「ごめんね……大内君。最近、ずっと誰とも会えなかったから、賑やかで楽しかっただけなの」

 
 塚本さんは、悲しげに目を伏せて、俺の方に小さく頭を下げた。
 そんな彼女の姿を見て、俺はそれ以上叱責することが出来なかった。


「おい! お前ら、出るぞ」梶山が幹部達を促す。

「ウッス」士堂がポケットに手を突っ込んで、スライドドアの方へと進む。


(何だよ……おふざけの池永陣営に続いて、西村姫子陣営は、暴走族の不良生徒なのかよ?)

 俺は納得が行かなかった。
 短い間だったが、塚本会長や俺たちが築き上げて来た小倉塚第二高校生徒会を、こんな海のものとも山のものとも知れない連中に明け渡すなんて。


「西村パイセン! 応援してるっす!!」

「宇野君、ありがと」優しく微笑む彼女のえくぼが切ない。


「ぜ、前会長殿……これ、『魔法のコンダクター・ラシドレあるとちゃん』の変身ステッキでござる。
『サバデュビ・ヤバデュビ・サバデュビ・ヤバデュビ・デュビヤッドュ!』」

「早坂君、魔法の呪文唱えてくれて、ありがとうね!
 亜美菜すぐに回復しちゃうからっ!!」


「……お前ら、早く帰ってくれ。委任状は確かに受け取ったからさ」