みんなの恋が実るわけじゃないのは…
相手のあることだし、当たり前だ。
誰もが納得することも難しいのかもしれない。
だけど、みんなの恋が実ればいいなって、思わずにはいられない。
ちぃこちゃんだって、やっぱりふっちーを好きで“変な奴”になってるからこそ、この状況を理不尽だと思っても許せないわけで…
ふっちーには好きな子がいる。
それが紗香なら嬉しいのも本当の気持ちで
むっちゃんの気持ちを知った以上は…
むっちゃんの恋も実ればいいと思ってしまう。
私がいくら応援しようと、祈ろうと…
それを決められるのは…
ふっちーだけだ。
私はこの恋に“部外者”だ。
恋する気持ちは私にも分かってしまうから。
“部外者”じゃない恋は全く進展しない。
というか、端くれさえ見えなかった。
なのに今日も、あの本屋さんで私は放課後を過ごした。
彼の言動をひとつひとつ思い出し
最後にあの笑顔を思い出した時には
心臓が急っとなって
思わず胸に手を当てた。
せめて、名前だけでも……
あのハンカチどうなったのかな。
同じ高校なら…
むっちゃんみたいに“認識”してもらえたのにな
さっちゃんみたいに2回も告白する勇気はないけれど、名前くらいは呼んで貰えたかも
ちぃこちゃんだって、他クラスの男子に告白する勇気、凄いなぁ。
あの時、名前くらいは…
いや、実は違う高校なの!とか言えてれば…
チャンスの神様は前髪だけっていうもんね
彼の後ろ姿を思い出して、切なさにまた胸を押さえた。
ふぅ、とため息を吐いて、立ち読みしてたバスケのルールブックを棚にしまう。
すぐ横に“月刊バスケットボール”の文字。
誰かがそれを手に取った。
この人もバスケするのかな。
横目で見れるくらいに確認する。
チェックのズボン…
捲った袖。ブレザーは着ていない。
ネクタイは紗香と同じ色。
柔らかそうな髪。
あの時と違うのはヘッドホンが首にかけられ…
あの人だ!!
そう認識した瞬間的、心臓が物凄い音を奏で出して、息が止まった。
な、名前、名前を、聞かなきゃならなくて
どうしよう…
「おい、行くぞー」
同じ制服の男の子にそう声を掛けられ、彼は本屋さんを出て行った。
一瞬の出来事。
顔も確認出来なかった。
だけど、“彼”だって、分かった。
残ったのはうるさい心臓。
それから気づけば
彼が手に取った…月刊バスケットボールを…
買っていた。
相手のあることだし、当たり前だ。
誰もが納得することも難しいのかもしれない。
だけど、みんなの恋が実ればいいなって、思わずにはいられない。
ちぃこちゃんだって、やっぱりふっちーを好きで“変な奴”になってるからこそ、この状況を理不尽だと思っても許せないわけで…
ふっちーには好きな子がいる。
それが紗香なら嬉しいのも本当の気持ちで
むっちゃんの気持ちを知った以上は…
むっちゃんの恋も実ればいいと思ってしまう。
私がいくら応援しようと、祈ろうと…
それを決められるのは…
ふっちーだけだ。
私はこの恋に“部外者”だ。
恋する気持ちは私にも分かってしまうから。
“部外者”じゃない恋は全く進展しない。
というか、端くれさえ見えなかった。
なのに今日も、あの本屋さんで私は放課後を過ごした。
彼の言動をひとつひとつ思い出し
最後にあの笑顔を思い出した時には
心臓が急っとなって
思わず胸に手を当てた。
せめて、名前だけでも……
あのハンカチどうなったのかな。
同じ高校なら…
むっちゃんみたいに“認識”してもらえたのにな
さっちゃんみたいに2回も告白する勇気はないけれど、名前くらいは呼んで貰えたかも
ちぃこちゃんだって、他クラスの男子に告白する勇気、凄いなぁ。
あの時、名前くらいは…
いや、実は違う高校なの!とか言えてれば…
チャンスの神様は前髪だけっていうもんね
彼の後ろ姿を思い出して、切なさにまた胸を押さえた。
ふぅ、とため息を吐いて、立ち読みしてたバスケのルールブックを棚にしまう。
すぐ横に“月刊バスケットボール”の文字。
誰かがそれを手に取った。
この人もバスケするのかな。
横目で見れるくらいに確認する。
チェックのズボン…
捲った袖。ブレザーは着ていない。
ネクタイは紗香と同じ色。
柔らかそうな髪。
あの時と違うのはヘッドホンが首にかけられ…
あの人だ!!
そう認識した瞬間的、心臓が物凄い音を奏で出して、息が止まった。
な、名前、名前を、聞かなきゃならなくて
どうしよう…
「おい、行くぞー」
同じ制服の男の子にそう声を掛けられ、彼は本屋さんを出て行った。
一瞬の出来事。
顔も確認出来なかった。
だけど、“彼”だって、分かった。
残ったのはうるさい心臓。
それから気づけば
彼が手に取った…月刊バスケットボールを…
買っていた。



