自然に話すことなんてやっぱりできなくて、私はやっぱりダメなんだと、思い知る…。とりあえず、さっき貰った入学式のしおりでも見てよう…。熟読する訳でもなく、ただ何かしていないと、どうにかなりそうで、パラパラとしおりをめくっていた。その瞬間、突然私の視界に誰かの手が映り込んできた。
「あー、ここだよ!ここ」
その手はしおりをトントンと叩きながら、明るい声で誰かと話している。なんのことを話しているのかもわからず、ビックリしすぎてただただ何も言えず、固まるだけしか出来なかった私は、もう思考停止状態だった。