呪われた旅館


すみれ「いやだってそこ、男湯......」
大輝「どうせ誰もいないから大丈夫だって」

もし誰かいたらどうするの、と言いたかったけど、1人で暖簾の前で待つ勇気もないのでみんなについて行くことにした。
一応みんなの陰に隠れながら、そっと大浴場の中を覗く。

愁「お湯まだあったけぇんだけど」
大輝「本当だ。入りたいなー」
すみれ「でもやっぱり誰もいないね」
慧「ってことは、今なら女湯も入れるんじゃね......!?」
照「お前は男子中学生か!」

なんてふざけていられたのも最初のうちだけで、階を上がるごとに私たちの気分は下がっていった。
2階、3階と探索を続けても、宏太どころか人の気配すらない。

愁「モニタリングルームなんて本当にあんのかよ」
慧「まぁあるとは言ってないからね~」
大輝「こうも人がいないと、ただの鏡も不気味に見えてくるよな」
すみれ「うん......」