中間テストまであと2週間。テスト範囲が発表されて本格的に勉強を始めた頃。

今週末、春臣くんに勉強を教えてもらうついでに煮込みハンバーグを作ることにした。

男の人に料理を振る舞うのは初めてだから緊張する。



「ねえ、やばい」



でも、楽しみなのは確か。

勉強を頑張ろうと気合を入れたところ、青白い顔の秋華がふらっと近寄ってきた。



「どしたの秋華、体調悪い?」

「違うけどやばい。私と冬斗、数学補習かも」

「2人ってそんなに成績やばかったの?」



補習なら赤点取りそうってこと?

でも秋華、今まで赤点は回避してきたって言ってたような。



「違うの〜今回は平均点より下回った人は全員補習らしい。
マジであの先生悪質じゃない?」

「え、その情報本当!?私もやばいかも」

「本当らしいよ。他クラスの子が言ってた。
しかもその補習、よりによって夏祭りの日らしい!
どうしよう、夏祭り行けないかも。せっかく浴衣もらったのに……」

「なんてこった、それはあんまりだ……」