「よかった、ちょうど来たね」

「はい、タイミング良かったです」



今帰ってきたかのように振る舞って、笑顔でハンバーグと対面する。

あぁ、おいしそう。嬉しくてにやにやしながら写真を撮った。

後でインスタに投稿しよっと。



「おいしそうだね」

「ですね!よくこのお店には来るんですか?」

「いや、初めてだよ」

「どうやって見つけたんですか?このお店」

「ここのお店、両親も好きらしくて……」



会話をしながら切り分けたハンバーグを口に入れる。



「ん〜、おいしい!お肉ジューシー!」



あまりの美味しさにたまらず声が出た。

はっ、しまった話をさえぎった。



「おいしそうに食べるね、こっちも幸せになる」

「すみませんお話の途中で。
私……お恥ずかしながら食べることが大好きでして」

「恥ずかしいことじゃないと思う。おいしそうに食べてる姿かわいいし」

「か、からかわないでください!」

「だから、からかってないって」



本気だとしたらそれはそれでリアクションに困る。

恥ずかしいから食べることに集中することにした。