「ワンピースかわいいね」

「ありがとうございます!友達と選びました」



ほら、さっきからずっと褒め言葉の嵐。

恋愛経験ほとんどなくて舞い上がっちゃうからやめてほしい。

おかげで赤面しちゃって頬が熱を帯びてる。

熱くて手で顔をパタパタ扇いだら春臣さんが顔を覗き込んできた。

今度は何!?



「暑いね、結構待たせちゃった?」

「大丈夫です、それよりお腹空きました!」

「そっか、じゃあすぐ行こう」



この人、いちいち距離が近い。

イケメンに耐性がないからほんと勘弁して欲しい。

心拍数上がりっぱなしで倒れそう。

春臣さんはやっと私から視線を外して歩き出す。

私は呼吸を整え、胸を押さえながらその後を追った。