「こんばんは、春臣さん」

『こんばんは、ありがとう電話出てくれて。今大丈夫?』

「はい!」



30分前からウロウロしながら待ってました!とは言えず元気よく返事をした。



『あのさ、来週の土曜って空いてる?』

「空いてますよ!大丈夫です」



それにしても、会った時よりも少し低く聞こえる電話の声にドキッとする。



『じゃあその日にハンバーグ食べに行こう。お店予約しとくから』

「ありがとうございます、よろしくお願いします」

『うん、よろしくね』



心臓がバクバクしてるからなんだか声が遠くから聞こえるみたい。

すると『じゃあまた来週』と春臣さんの声が聞こえた。

あ、待って聞きたいことがあるのに!



「あの、春臣さん!」

『ん?』

「インスタフォローしても大丈夫ですか?」

『うん、俺も風夏ちゃん見つけたからフォローするね』



ええっ、いつの間に!



「やめてください、私ご飯の写真しか投稿してないから恥ずかしいです!」

『風夏ちゃんが作ったアップルパイ美味しそうだった』

「あー!見ましたね!?」

『はは、見ちゃった』



見ちゃったと無邪気に笑う春臣さんを思い浮かべる。

付き合い浅いから分かんないけど、こういう母性をくすぐるところ、年上にモテそう。

それから来週お願いしますと挨拶をして通話を終えた。

だけどしばらくドキドキしていてその日は寝つきが悪かった。