──今日の夜電話できる?──



え、電話!?

2度見したけど間違いない、春臣さんはどうやら私と電話したいらしい。



「どしたの、そんなおもしろい顔して」

「ど、どうしよう!春臣さんが今日電話できる?って」

「へえ、貸してみ」



貸してと言われたから秋華にスマホを渡す。

私は頭が混乱してドキドキが止まらなかった。

あんなイケメンがなんでこんな平々凡々な人間とお近付きになってくれたの!?

もしかして私、また騙されてるんじゃ……。



「風夏、はい」

「え?はい……って、ああ!」



いろいろ考えてたら秋華はスマホを返してくれた。

しかし画面を見て今度は3度見した。



──21時くらいなら大丈夫です!──



なんと秋華が勝手に春臣さんにメッセージを送っていた。



「え!?ちょっとなんで勝手に送ってるの!」

「どうせその時間ヒマでしょ?」

「うんそうだけど……わあっ!既読ついちゃった……もう、秋華!」

「ふふっ、ほんとかわいいね風夏」



大慌ての私を見て笑う秋華。

かわいいなんて誤魔化してもそうはいかないぞ!

ムッとした顔をしたけど、秋華があんまりにも楽しそうに笑うもんだから怒れなかった。