「ユウリが掟を破って、人間界に行ってしまった時。なんとなく、気持ちは分かりました。私も、半分は人間の血が流れているので。ユウリが人間い恋をしても、おかしくはありません。本当に心から愛した人と、一緒になる事が幸せです。人間は悪い生き物だと、天空界では言われていますが。決めつけているのは、我々だけで。本当は、人間のほうがとても素晴らしいのかもしれませんね」

「そんな…」

「公にはできませんが、これでまた、人間界と天空界が繋がったのです。困ったときは、いつでも力を貸します。頼ってきてくださいね」

「有難うございます」


「ユウリ、幸せになりなさい。いつも、見守っていますからね」

「はい…」


 優しい笑みを浮かべて、ナーディはスーッと消えていった。


「悠里のお母さんって、すごく綺麗な人なんだな」

「ええ、天空界では女王様だもの」

「え? じゃあ、悠里はお姫様なのか? 」

「そうだけど、私はそんなガラじゃないですから」

「そんな事ないぜ。お母さんとよく似ている、悠里は最高のお姫様だ」


 ギュッと悠里を抱きしめて、一樹は嬉しそうに微笑んだ。

 ナーディからも許しも得て、ほっとした日であった。




 


 そして。

 いよいよ一樹の家に悠里が行く日が来た。


 優しいピンク系のワンピースに、白い薄手のカーティガンを羽織っている悠里。

 髪も綺麗にセットして、ちょっとだけピンク系のリップを塗っている。



 
 宗田家に到着すると、昭三に家と同じくらい広くて、悠里は驚いていた。


「悠里ちゃん、いらっしゃい」


 樹利亜が笑顔で迎えてくれた。


「初めまして末森悠里です」

「悠里ちゃん、一樹から聞いているわ。かしこまらないでね、上がって」




 
 リビングに案内された悠里と一樹。


 リビングでは忍が待っていた。