しばらくすると、悠里はナーディに水晶を通して連絡した。


 話の経緯を聞いてナーディは。


「あれから連絡がないと思ていたら、そんな話があったのですね? 」

「ごめんなさい、色々ありすぎて連絡ができなくて」


「構いませんよ。貴女が幸せであれば、それでいいのです。私は何も反対しません。勿論、お父様も同じお考えです。良かったですね、人間界で暮らせる良い状況になっていて」

「はい、おじいさまに感謝し致します」


「私は貴方を応援しています。幸せになりなさい、好きな人を追いかけて飛び込んでいったくらいですからね」

「はい、有難うございます。お母様」


 ナーディからの許しも得て、悠里はとても安心した。


「あの、もう1つお話があるのですが」

「なんだね? 」


「実は…プロポーズされている人が居るのです」


 悠里は指にはめている指輪を見せた。


 輝くダイヤを見て、昭三は驚いた目をしたがすぐに優しい笑みを浮かべた。


「私は何も反対しないよ。安心して」

「はい、有難うございます」


「しかし、相手側に嫁いでもらっては困るのだが」

「え? 」


「悠里ちゃんが出て行くと、この家の跡取りがいなくなってしまうからね」

「あ…そうですね…」


「お相手に、この家に来てもらうことはできるかね? 」

「一度聞いてみないと、分かりません」


「その辺り、ちょっと話し合ってもらいたい」

「判りました」