キミからの「好き」って、信じていいの?

「成海くんは優しいね」



「そんなことないよ。姫内さんだからだよ」



……っ、なんで、そんなこと平然と言えちゃうの?



きっと、他の女子にも言っているはずなのに、彼の言葉が頭の中でリフレクションして離れない。



姫内さんだから。



私だから、優しくしてくれているってことなの?



そんなこと言われたら……。



ドキドキと心臓が高鳴る。



ドキドキ、ドキドキ。



どうしよう……体がまるで全力疾走したときみたいにあつくなって。



まるで、私、恋してるみたい……。



えっ?今、私なんて思った!?



恋って、ウソでしょ!?



だって、私はもう二度とだれも好きにならないって決めたのに。



あのとき、あんなに声が枯れるほど泣いて泣いて泣きまくって。



恋をしないって、あのとき、心に誓ったんだから。



まだ今なら引き返せる……よね?



私は、これから絶対、だれも好きにはならないよね?



私はバッグに、教科書と一緒に自分の想いも心しまい込んだ。



*



໒꒱



*