将来の夢とか、これからどんなふうになりたいとか、そんなことを考えても全然想像できなくて。



勉強しても、勉強しても、なんのためにやっているのかわからなくて。



それでも、なにもしなかったら私だけがここに取り残されそうで怖くて、とりあえず勉強だけはしているんだ。



なにかないかなぁ。



私にしかできないなにか。



みんなはきっと、大人になることを楽しみにしているはずなのに、私の心にはいつでも霧がかかったように不透明で見えない。



どうすればいいのかな?未来ってどうやったら信じられるの?




そんなことを思いながら、私は数学の授業が終わるのを待った。



外を見上げたら、グレーの雲が空一面を覆っていて今にも泣きそうな顔をしていた。



春に似つかない冷ややかな風が吹いて、桜の枝からひとひらの花びらが落ちた。



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