口ごもった私を見かねたのか、彼は私の机にプレゼントをおいて立ち上がった。



「じゃあ、俺は自分の教室へ戻るから。いらなかったら捨てていいよ。それじゃ、また」



彼は私の目を少しだけじっと見て、教室から出て行った。



彼の瞳は、プレゼントを喜んでもらえなくて悲しいと思っているとうったえていたように感じて。



目は口ほどにものを言うとはこんなときに使うのかな。



成海くんが教室から出て行ったと同時に彼を女子たちは追うように引き上げていった。



「はぁ〜っ、めっちゃかっこよかった!」



「こんな至近距離で見たの初めて〜!」



クラスの女子が口々に騒いでいるのに、私の頭の中は真っ白だった。



なんで、私はなにも言えなかったんだろう。



中途半端。なにもかも。



彼のことを突き放せなかったくせに、彼に嫌われるのはつらいなんて思っている。