最初はこらえようとしたんだけれど、抑えきれずに口から失笑がもれた。



「ふふっ」



「あーあ、かっこわりぃ。もう少し遅ければ気づかれなかったのに」



そういえば、私のバッグの中には先ほど作ったカップケーキがあることを思い出して。



渡してもいいのかな……?



ただ迷惑になるだけかな。



でも、食べたくなければ捨ててもらえばいいかな。



ここからコンビニまでは15分くらいはかかるし。



「あの……よかったら、これどうぞ」



私はおずおずとカップケーキを手渡した。



彼は目を見開いて、そのあとクシャッと笑った。



「ありがとう!もらっていいの?カップケーキだよね」



想像以上に喜んでもらえて、私まで嬉しくなってしまった。



「お口に合うといいんだけれど……。今日部活で作ったものだから、今日中に食べてね。それじゃあ、私はそろそろ帰らなきゃ」