「ねぇ、敬語やめない？同級生なんだし。なんとなく先輩と話してるみたいな感じがして、気が休まらないんだけど」



「す、すみません。あっ」



「敬語で話すのが普通ってこと？」



私が面白いのか、彼は目尻を下げた。



「うーん、そう言うわけではないんだけど、男子と話しているときは敬語を心がけてる……って感じかな？」



「何それ。そういえばまだ自己紹介してなかったね。俺の名前は成海　桃舞。一年C組！」



「こちらこそよろしくね」



知ってたけれど、私だったら知らない人にいきなり「知ってるよ〜、有名人だもん！」なんて言われてもただ怖いだけだから知らないふりをすることしにした。



「私は……」



「姫内　桃音さん、だよね？」



私が名前を言おうとしたら、やや早く彼が私の名前を言った。