私はハッとして指差した。



「保健室に行きましょう。ここからなら結構近いし、ベットもあるし、この時間帯なら他の人はきっといませんよ」



「なんでそんなことを知っているの?」



「私、一応保健委員なので」



「ぴったりだね。君が保健室にいたら、まるで白衣の天使みたいで、男子が大勢押しかけてきそう」



……っ。なにこの人。天然なの?



まるで、私が天使に見えるって言っているみたい。



気のせいだよね?だって、真凛から同級生の中で断トツにかっこいいと言われている彼が、私なんかのことを"天使"なんて言うわけがないんだから。



彼はさっき目を閉じていた間にずいぶんと体調が良くなっているようで、表情も明るくなっている。



私はホッと肩をなでおろした。



けれど、問題が解決したわけではない。



「あの、どうして帰らなかったのですか?今まで部活をしていたのでしょう?」