桃舞くんは私の目をじっと見つめて。



「姫内 桃音さん。ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください!」



……え?



「えぇーー!! な、なんで?どうして?だって……」



今、私のことを好きって言ったよね?



私の幻聴じゃないよね!?



「そんなに慌てなくても」



「いや、慌てるよ!だって、なんで?私のどこが好きなの!? 」



「桃音と俺が出会ったのは保健室へ行った日じゃないんだ。実は一年生のときに、俺がサッカーをやっていたら、ボールが桃音のほうへと転がっていってしまって。そのときに、桃音が『うまいね。魔法使いみたいだね!』って言ってくれたんだ。そのときから、俺はずっと桃音が好きだよ」



え……。



でも言われてみたら、たしかにおぼろげだけれどその記憶はあって。



「じゃあ、あのときのドリブルがうまかった男子が桃舞くんだったの!?」



「覚えててくれたんだね。俺はあのとき、桃音に恋をしたんだ。間違いなく、俺の初恋だよ」