彼女の涙は、悲しい過去を思い出して泣いていたのか、それともまたべつの涙なのかはわからなかったけれど、とりあえず泣き止んだときの彼女のすっきりとした笑顔を見たら、泣いていた理由なんてなんでもいいような気がした。



姫内さんの涙を見て、俺が絶対に彼女を守ろうと思った。



姫内さんは俺がこんなに君を想っていることに気付いているのか、いないのか。



それはわからないけれど、彼女の役に立てるなら俺の気持ちなんてどうでもいいかとも思った。



姫内さんのことはまだまだ知らないこともあるけれど、これから知っていけばいいことだから。



姫内さんがいつか、俺のことを好きになってくれるその日まで俺は絶対に君のそばにいるから。



だから、一生のおねがいだから。



姫内さんが俺のことを好きになって、くれますように……。



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