結論から言えばデートは大成功だった。



姫内さんは水族館が俺の想像通り好きだったらしく、とても喜んでくれた。



はしゃぐ姫内さんはとても可愛かった。



水族館にいる動物よりも、となりにいる姫内さんに見惚れていたなんて、きっと彼女は知らないはずだ。



アシカやペンギンなどの動物を見たあと、レストランへ入った。



そこで俺は衝撃的な話を聞いた。



それは姫内さんが男子が苦手になったわけだった。



俺の想像を超えるひどさに、俺は手を握り締めた。



俺が同じ中学へ通っていたら……!



俺が姫内さんともっと早くに出会えていたら……!



後悔することもあったけれど、それよりも姫内さんには前を向いて欲しかった。



辛い過去を変えることはできなくても、明るい未来をつくることなら俺にもなにか手伝えることがあると思った。



俺が彼女に向かって、彼女を励ませるような言葉を精一杯送ったら、彼女は泣いてしまった。