はぁ、はぁ、はぁ……。



全力で走って、走って、走って。



あのアイス屋さんから飛び出して十五分くらい走ったあと、私はゆっくりと走るスピードを落とした。



アイス屋さんの周りには人がいたけれど、ここには見える範囲では誰もいないみたいだった。



体がものすごく熱い。



走ったからなのか、怒っているからなのか、それとも別の何かなのか……。



バッグからピンク色の水筒を取り出して、ゴクゴクと水を飲んだ。



「はぁ……」



思いっきりため息をつくと、水筒を閉まって顔を両手で叩いた。



パチンっと音が周りに響いた。



「よしっ」



さっき今井くんに会ったことは忘れよう。



絶対に思い出したくない過去だから。



私は家に向かってゆっくりと、でも確かな足どりで歩き始めた。



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໒꒱



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