「あ、あの、成海くん?お店間違えているんじゃない?」



私は恐る恐る尋ねた。



「いや、合ってるよ。ここは俺の父さんのブランドだからね」



「……え?えぇ〜〜っ!?」



今、俺の父さんって言ったよね!?



まさかこんな有名ブランドが同じ学校の生徒のお父様が経営されていたなんて……!!



私は驚きすぎて言葉を失ってしまった。



「お久しぶりです、成海様。本日はどう言ったご用件でしょうか?」



奥から品があり、堂々としたオーラを放つ女性が出てきて。



一目で立場の高い人だとわかった。



「じゃあ、この方に最高に似合う服を準備してくれる?」



「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」



この方って私のこと!?



私は驚きすぎて頭が真っ白になってしまった。



真凛が成海くんは完璧だと言っていたけれど、まさかここまでなんて……!



だから成海くんは、あんなに頭がよかったのかな?



このブランドを継ぐために一生懸命勉強していたのかもしれないな、努力家の成海くんだもん。