「俺がウソなんてつくと思う?」



「思わないけどっ、これとこれは話がべつって言うか……!」



成海くんの彼女なんて、そんなの聞いてないよ!



「俺の彼女になるの、嫌?」



うっ、成海くんの上目づかいなんて超レア……!!



数秒間見つめあったあと、結局先に視線をそらしたのは私で。



「……わかったよ、今日一日だけね」



「ありがとっ!」



彼は満面の笑みを見せてくれて、その笑顔を見れただけで引き受けてよかったなぁなんて思ってしまった。



私、相当成海くんに弱くなっちゃってない……?



少しだけそんなことを思ったりもした。



「じゃあ、まずはここに入るよ〜」



「えっ、ちょっと待ってよ」



彼が入っていったのは洋服の有名ブランド店で。



一着一万円は超えるであろう服たちがズラーッと並んでいて、気後れしてしまった。



「いらっしゃいませ。本日はどのような商品をお探しでしょうか?」