「あ、あり……がとうっ」



彼は泣きじゃくる私の頭をポンポンと優しくなでてくれて。



私はまるで今までの辛かった気持ちをすべて吐き出すかのように、ただひたすら泣き続けた。



「ごめんね……もう大丈夫!ありがとう、成海くんのおかげで元気になれたよ。成海くんは魔法使いだね!」



私が成海くんに笑顔を向けたら、彼は目を見開いていて。



「どうかした?」



私が尋ねると彼はハッとしたような顔をして微笑んだ。



「ううん、なんでもない。そろそろ帰ろうか」



「うん、そうだね。今日は連れてきてくれて本当にありがとう!」



私があらためて感謝を伝えたら、彼は目を細めて笑った。



「こちらこそ、とっても楽しかったよ。姫内さんにまさかデートだと思ってもらえてたなんて、気づかなかったよ!」



……っ、そういえば、私さっきデートって言っちゃったかも!



顔が火照っていくのがわかった。



「は、恥ずかしい……」



「姫内さんはやっぱり、素直なほうが可愛いよ。だからずっとそのままでいいんだよ」



「あ、ありがとう……」