どうしよう。どうしたらいいの?



……でも、ずっと恋に憧れていた。



小説の中のヒロインはみんなとびっきりに可愛くて、恋をすることでさらにキラキラになっていて。



いつか私もそうなれたらいいなぁって夢見ていたの。



だったら、詩音が言っていたとおりこれは神様が与えてくれた大チャンスなのかもしれない……よね?



「……本当に私があなたのこと、好きになれると思いますか?」



もし、彼のことを好きになれなかったら彼の貴重な中学時代も棒に振ることになるんじゃない?



「約束する。絶対、大切にするから」


彼の声色の真剣さが、私の心に響いた。



「じゃあ……よろしくお願いしますっ」



「こちらこそ」


彼はそう言って、私に太陽にも負けないほどの最高の笑顔を見せた。



これでいいんだよね?



このあとにはきっと、小説みたいなハッピーエンドが待っているんだよね?



不安を抱えながらも、初めての彼氏ができたことに私は胸の高まりをおさえることもできなかった。