不満そうな真凛には申し訳ないんだけれど、私はまったく興味がなくて。



確かに成海くんはイケメンだけど、周りにいるたくさんの女子みんなに笑いかけている感じが、どうにも好感が持てないっていうか。



なんか、誰にでも愛想をふりまいて自分に好意があるんだって女子に思わせておきながら、ばっさりフリそうな感じがするんだよね。



「はぁ〜、超かっこいい!私も桃舞くんと付き合ってみたいなぁ……」



「えっ、やめたほうがいいんじゃない?なんか、チャラそうっていうか……」



「えぇー!? なんで?黒髪だし、制服だってキチッと着てるし、今どきあんまりいないような真面目男子なのに!」



「み、見た目のことじゃなくて……」



真凛の剣幕に圧倒されて、私は言葉に詰まってしまった。



まぁ、確かに彼が一人で立っていたら真面目に見えるんだけど。



でも、私が男嫌いすぎて悪いことを勝手に想像しているだけなのかもしれないよね。



すっかり目がハートになっている真凛の腕を引っ張って、私は科学室へと向かった。



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໒꒱



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