「そーだよ!少女漫画読みすぎてるよ!だからわかるの!こんな少女漫画みたいな関係、それだけで意識しちゃうに決まってんじゃん!なんか私がワクワクしてきたよ。それで、有馬くんとは今日のお昼いっしょに食べるって約束したんだよね!」

「ちょちょちょ、依茉ちゃん!興奮しすぎ!いい?こっちは、スマホ弁償出来ないならパシリになれって脅されてるんだよ?腹立つったらありゃしない!」

いつになく早口で楽しそうに話す依茉ちゃんを慌てて制す。

まったく、……ワクワクって。

「でも海風、なんだかんだ、有馬くん見るとドキッとしちゃうんでしょ」

「うっ……」

「図星じゃん」

いや、遥琉、顔だけはいいから……。

遥琉と距離が近くなるとドキドキしちゃうのは本当のことだから、言い返せない自分がいる。

「私は、海風のもう一つの一面が見られてすごく嬉しいし、幸せになって欲しいって思ってるの。今までずっともやもやしていたことなら尚更、白黒はっきりつけようよ!」

「うぅ、とっても嬉しい言葉だし、おっしゃる通りなんだけども」

「とにかく、海風が有馬くんのことで用事ができても私は全然大丈夫だから気にしないで行ってきてってこと!」

「……依茉ちゃん」

なんていい子なんだよ、ほんと。